焼き芋が特においしい、甘いサツマイモの種類は多々あります。
安納芋が人気を博しているのは周知の事実ですが、他にも多くの品種が存在し、それぞれに独特の特徴があります。
この記事では、特に甘さが際立つ、おすすめのサツマイモの品種をいくつか紹介します!
サツマイモの甘さの秘密とは?
秋に収穫されるサツマイモですが、収穫直後は意外と甘くないものです。
サツマイモが甘くなるには、重要な2つのプロセスが関わっています。
追熟による甘みの増加
一般的には果物の熟成を思い浮かべるかもしれませんが、サツマイモも同じように熟成することがあります。
収穫後、1~2ヶ月間保存することで、甘くなります。
低温での長時間加熱による甘みの増加
70℃から80℃の温度を保ちながらゆっくりと加熱することで、サツマイモの甘みはさらに増します。
一番おすすめの調理法は、やはり焼き芋です!
茹でると水分が吸収されることで蜜が薄まってしまいます。
焼き芋の場合、ゆっくりと加熱され、余分な水分が蒸発することで、サツマイモの蜜が濃縮され、甘さが最大限に引き出されます!
さまざまな食感の甘いサツマイモ品種4選
ねっとりとした甘みの「安納芋」
安納芋は、その水分量の多さからねっとりとした食感が特長です。
焼き芋界の火付け役とも言われています。
この芋は加熱することによって繊維が柔らかくなり、特有のねっとり感を生み出します。
安納芋の糖度は収穫時で約16度、じっくり焼くことで最大40度近くまで上昇します。
焼き芋として食べると、蜜があふれるため、「蜜芋」とも呼ばれ、甘い焼き芋が好きな方には最適な品種です。
しっとりと甘い「紅はるか」
紅はるかは、その名の通り「遥かに甘い」という意味を持ち、安納芋に匹敵する甘さがあります。
この品種は水分量が少なめで、しっとりとした食感を持ちます。
安納芋のねっとり感とサツマイモ本来のほくほく感の中間のような食感が魅力です。
なめらかで甘い「シルクスイート」
シルクスイートは、その名の通り絹のようななめらかさが特徴です。
繊維質が少なく、上品な甘さが特長です。
安納芋や紅はるかに比べると甘さは控えめですが、決して物足りなさはありません。
また、熟成によって食感が変わるので、収穫直後はほくほく、熟成させることでより甘くなめらかになります。
番外編:レンジでも甘くなる「クイックスイート」
クイックスイートは、一般的なサツマイモとは異なり、糖になりやすい温度が低いのが特徴です。
そのため、レンジでの調理でも簡単に甘くなります。
この品種は水分が多く、ねっとりとした食感を持っています。
元々は静岡県や熊本県で栽培されていましたが、現在は全国的に広がっています。
見かけたらぜひ試してみる価値があります。
美味しいサツマイモの選び方のコツ
同じ品種のサツマイモでも、熟成度や保存状態によってその味は大きく変わります。
ここでは、美味しいサツマイモを見分けるための重要なポイントをご紹介します。
皮の色
良く熟成されたサツマイモは、通常深い赤色をしています。
皮の色が濃く、艶があり、均一に色づいているサツマイモは良質です。
紫色がかっていたり、色むらがある場合は、熟成不足や生育不良の可能性が高いので避けた方がよいでしょう。
サイズと形
重さがあり、ラグビーボールのような形(紡錘形)のサツマイモが理想的です。
形が均整の取れたサツマイモは、ストレスなく育った証拠です。
同じサイズで他より軽いものは、中に空洞(す)がある可能性があるため避けましょう。
切り口
切り口から蜜が出ているサツマイモは、十分に熟成している証拠です。
時には蜜が黒く固まっていることもあります。
他のポイントよりもこの特徴を見つけたら、品質が良いと言えるでしょう。
切り口はチェックの中でも最優先事項です。
これらのポイントが、美味しいサツマイモ選びの鍵となります。
ただし、安納芋のような特殊な品種にはこれらの基準が当てはまらないことがあるので、その点も注意しましょう。