「のぞみとひかりって、結局どっちが速いの?」
「どうやって選べばいいの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
東海道新幹線には「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3種類がありますが、中でも多くの人が悩むのがこの2つの違いです。
この記事では、のぞみとひかりの速さをはじめ、快適性や料金、お得な使い方まで徹底的に比較!
シーン別のおすすめや、未来の新幹線の進化までわかりやすく解説していきます。
読めば、新幹線の選び方がきっと変わりますよ!
のぞみとひかりの基本情報と運行ルートの違い
東海道新幹線の主要3列車「のぞみ・ひかり・こだま」の違い
東海道新幹線には「のぞみ」「ひかり」「こだま」という3つの列車があります。
それぞれの列車には特徴があり、速さや停車駅数が違うため、利用目的に合わせて選ぶことができます。
まず、「のぞみ」は東京から新大阪まで最速で移動できる列車です。
主要駅のみを停車することで、最短2時間21分ほどで走り抜けます。
一方、「ひかり」は「のぞみ」よりも多くの駅に停車しますが、それでも速達性は高く、新大阪まで約2時間40分ほどで到着します。
そして「こだま」は各駅に停まるタイプで、東京〜新大阪間をおよそ4時間かけて運行します。
このように、同じ新幹線でも停車駅の数が違うことで移動時間に大きな差が生まれます。
利用する時間帯や目的地、急いでいるかどうかによって、どの列車を選ぶかが変わってきます。
ちなみに、各列車の停車駅数の目安は以下の通りです。
新幹線に初めて乗る人や、迷っている人は、この違いを知るだけでもかなり選びやすくなりますよ。
のぞみが最速の理由とは?
「のぞみ」が他の新幹線列車よりも速い最大の理由は、停車駅の数が少ないことです。
停車駅が少ないということは、それだけ加減速の回数も少なくなり、安定した高速走行ができるということになります。
また、「のぞみ」は最先端の車両を使用していることもあり、走行性能が高く設計されています。
たとえば、現在主力となっている「N700系」や「N700S」は、空気抵抗を減らすデザインや、高速でも安定した走行を可能にする制御技術が取り入れられています。
加えて、ダイヤ編成(時刻表の組み方)も工夫されています。
「のぞみ」はダイヤ上で優先的に設定されており、他の列車に影響されにくい運行ができるようになっています。
これによって、遅延が少なく、効率的な運行が実現されています。
このように、単に「速い車両を使っているから速い」というだけではなく、車両の性能、停車駅、ダイヤ編成など、複数の要素が組み合わさって「のぞみの速さ」が実現されているのです。
ひかりはどんな人に向いている列車?
「ひかり」は「のぞみ」ほど速くはありませんが、十分な速さを持ちつつ、停車駅も多いため、利便性が高い列車です。
特に、「のぞみ」が停まらない駅に行く場合や、自由席を狙いたい人には「ひかり」はぴったりです。
たとえば、「静岡」「浜松」「岐阜羽島」などは、のぞみが通過してしまう駅ですが、ひかりなら停車することが多いです。
これらの駅から東京や大阪方面に行く人にとっては、ひかりが最も現実的で便利な選択となります。
また、料金はのぞみと同じですが、混雑しにくいことが多いため、座席を確保しやすいというメリットもあります。
特に週末や連休などの繁忙期には、ひかりの方が落ち着いて乗れることも。
時間に多少余裕がある人、のぞみの停車駅に縁がない人、快適な旅をしたい人などに、「ひかり」はおすすめできる列車です。
停車駅数の違いがスピードに与える影響
新幹線の速さは単純に「どれだけスピードを出せるか」だけではありません。
実は「何回止まるか」が非常に大きな影響を与えます。
なぜなら、停車駅が多くなると、止まるたびに減速し、再加速する必要があるからです。
のぞみは東京〜新大阪間で、平均して6〜7駅しか停車しません。
一方、ひかりはその倍近く、10〜12駅に停車することがあります。
この停車回数の違いが、そのまま所要時間の差となって表れます。
たとえば、1駅あたりの停車と発車に要する時間を平均3分と仮定すると、5駅多く止まるだけで15分以上の時間差になります。
実際、のぞみとひかりの所要時間の差も約20分前後。
この差は、ほぼ停車駅数の違いに起因しています。
つまり、スピード自体が同じでも、どれだけスムーズに走り続けられるかが、全体の「速さ」には大きく関わってくるということですね。
乗車時間でどれだけ差が出る?東京〜新大阪の比較
のぞみとひかりの東京〜新大阪間の所要時間の違いは、実際にどのくらい影響があるのでしょうか?以下の表で比べてみましょう。
この表を見ると、のぞみの方が確かに速いのですが、思ったほど大きな差ではないと感じる方もいるかもしれません。
実際、のぞみが「ダントツで速い」と言われる一方で、ひかりも十分に速い列車なのです。
出張などで「1分でも早く到着したい!」という方にはのぞみがぴったりですが、のんびりと余裕をもって旅をしたい方にとっては、ひかりでも十分に快適で便利です。
目的に合わせて乗り分けるのが、新幹線を上手に使いこなすコツですね。
のぞみとひかりの最高速度と平均速度を徹底解説
のぞみ・ひかりの最高時速はどれくらい?
のぞみとひかり、どちらも使用している車両は基本的に同じ「N700系」または最新型の「N700S」です。
では、それぞれの最高速度はどれくらいなのでしょうか?
実は、のぞみもひかりも東海道新幹線では最高時速285km/hで走行しています。
この速度は東海道新幹線のインフラ(線路やカーブの設計)によって制限されており、これ以上のスピードを出すことはできません。
つまり、「最高速度」という点では、のぞみもひかりも同じなんです。
違いが出るのは「停車駅の数」と「運行ダイヤ」によるもの。
のぞみのほうが停車が少ないぶん、長時間高速走行を維持できるため、全体の所要時間が短くなっています。
また、東海道新幹線の中でも、直線の多い静岡県付近や愛知県の一部区間では、最高速度での走行が可能です。
反対に、東京や新大阪周辺のカーブが多いエリアでは速度を落として運転されます。
実際の運行での平均速度とは?
最高速度は285km/hですが、実際に乗っていると「そんなに速いの?」と感じないこともあります。
これは停車や減速があるためで、実際の平均速度はそれよりずっと低くなります。
たとえば、東京〜新大阪間(約515km)をのぞみが2時間21分で走ると、平均速度は約219km/hになります。
ひかりの場合は2時間40分かかるので、平均速度は約193km/hです。
このように、見た目の「スピード感」だけでなく、停車や発車、カーブなどによって、平均速度にはかなりの差が出るんですね。
それでも200km/h近くで移動できるのは、やはり新幹線ならではの魅力です。
スピード制限がある区間ってどこ?
実は東海道新幹線には、全区間で最高速度を出せるわけではありません。
いくつかの区間では「速度制限」が設けられており、安全性や騒音対策のために制御されています。
たとえば、東京駅〜品川駅間や新大阪駅周辺では、急カーブや住宅密集地が多いため、速度は110km/h〜160km/h程度に制限されています。
また、トンネルが連続する区間では騒音やトンネル突入時の空気圧対策として減速することもあります。
一方、静岡県の掛川〜浜松、愛知県の三河安城〜名古屋の区間は直線が多く、地形も平坦なため、比較的長い時間最高速度の285km/hを維持しやすいエリアです。
こうした区間ごとの制限があるため、最高速度が同じでも平均速度に影響が出るのです。
新幹線が「速いのに静かで安全」と言われるのは、こうした細やかな制御技術のおかげですね。
車両形式によって速度は変わる?
東海道新幹線で使用されている車両には、N700A、N700系、そして最新のN700Sがあります。
どれも最高速度は285km/hで変わりませんが、加速性能や安定性、安全性能には違いがあります。
たとえば、N700Sは従来のN700系よりも加速性能が向上しており、停車駅の多い「ひかり」や「こだま」でも、より短時間で最高速度に達することができます。
これにより、トータルの所要時間がわずかに短縮されることもあります。
また、騒音対策として車体の形状も工夫されており、空気抵抗を減らしながら高速走行ができるようになっています。
さらに、耐震性能も強化されており、災害時にも自動でブレーキがかかる「自己判断型制御」なども導入されています。
このように、同じ区間を走っていても、車両形式によって“体感の速さ”や“快適性”は変わるんです。
海外の高速鉄道と比べた新幹線の速さ
日本の新幹線は「速くて安全」として世界的にも評価が高いですが、他国の高速鉄道と比べたときの速さはどうなのでしょうか?以下の表にまとめてみました。
このように、新幹線の最高速度は他国に比べるとやや控えめですが、その分定時運行率が非常に高く、事故率が極めて低いのが特徴です。
日本では「安全第一」で設計されているため、スピードよりも信頼性や快適性が優先されているのです。
また、日本の新幹線は騒音対策や振動対策が非常に優れているため、体感としても快適な移動ができるようになっています。
速さ以外に注目!のぞみとひかりの快適性比較
座席の広さや快適性の違い
のぞみもひかりも、基本的には同じN700系やN700Sという車両を使用しているため、座席そのものの広さや快適性に大きな違いはありません。
しかし、利用する時間帯や混雑状況によって、その「快適性」は大きく変わることがあります。
たとえば、のぞみはビジネス需要が高いため、朝夕の通勤時間帯や金曜の夜はかなり混雑します。
一方で、ひかりは停車駅が多く、のぞみよりも利用者の分散があるため、比較的空いていることが多いです。
その結果、ひかりの方が隣に人がいない確率が高く、ゆったりと座れる可能性があります。
また、指定席でも座席の位置によって快適さが変わります。
たとえば、車両の最前列や最後列は、足元に荷物を置けるスペースが広く、パソコン作業をしたい方には便利。
ひかりでは、比較的予約が取りやすいため、こうした“快適な席”を狙うには有利です。
グリーン車を利用する場合は、どちらの列車でも同じ仕様のシートが使われています。
ふかふかのシートに、足を伸ばせるスペース、静かで落ち着いた雰囲気。ちょっと贅沢したいときには、どちらでも満足度の高い移動ができます。
混雑状況はどちらがマシ?
混雑という点では、のぞみのほうがかなり激しい傾向があります。
特に金曜日の夜や連休の初日、朝のビジネスラッシュの時間帯は、自由席に座るのが困難なほど混雑します。
逆に、ひかりは同じ時間帯でも比較的落ち着いていることが多く、自由席でも空いている確率が高いです。
以下は、東京→新大阪間の混雑傾向の一例です:
このように、ひかりは“穴場”的な存在でもあります。
たとえば「混雑は嫌だけど指定席が取れなかった…」というときは、ひかりに乗り換えることで、ゆったりとした移動が可能になるかもしれません。
Wi-Fiや電源などの設備差
最近の新幹線には、無料Wi-Fiサービスや各座席に電源コンセントが設置されているなど、設備面でも充実しています。
のぞみ・ひかりともに、N700A以降の車両であればこれらの設備はほぼ完備されています。
無料Wi-FiはJR東海が提供しており、1回30分×何回でも使える形式です。
ただし、通信速度は混雑時に遅くなることがあり、動画視聴などには向いていません。
とはいえ、軽いメールやネット検索なら十分使えるレベルです。
電源コンセントについては、窓側と最前列・最後列の座席に設置されており、N700Sではすべての座席に電源がある仕様となっています。
パソコン作業やスマホの充電などが必要な方には便利なポイントです。
つまり、のぞみとひかりでは、設備そのものの差はありません。
ただし、混雑具合が設備の使いやすさに影響することはあります。
静かな環境で集中して作業したい場合は、ひかりの方が快適に感じられるかもしれません。
静かさや揺れ具合の感じ方
「移動中に寝たい」「読書をしたい」といった方にとっては、車内の静かさや揺れ具合も重要なポイントですよね。
のぞみとひかり、どちらも同じ車両を使っているので、基本的に走行時の揺れは大きく変わりません。
ただ、混雑しているときは静けさが損なわれやすいです。
ビジネスマンの会話や電話の着信音、子どもの声などが気になることも。
そういう点では、比較的空いているひかりの方が静かに過ごしやすいと言えるでしょう。
また、乗車位置によっても揺れ方は少し変わります。
中央付近の車両(7〜10号車あたり)は揺れが少なく、音も比較的静かです。
車両の前後端は振動が伝わりやすいので、敏感な方は中央を選ぶと快適に過ごせます。
揺れに関しては、最新型のN700Sが最も改善されており、特に曲線走行時の安定性が高くなっています。
ひかりでもN700Sを使っている便に乗れれば、のぞみと同様の快適さが得られます。
家族連れやビジネス利用でのおすすめは?
家族連れとビジネスパーソンでは、求める快適性が違いますよね。
そこで、どちらの列車がどんなタイプの利用者に向いているかを整理してみましょう。
特に子ども連れの場合、のぞみだと周囲に気を使ってしまいがちですが、ひかりなら空いている分、周囲への配慮が少し楽になります。
逆に、短時間で目的地に着きたい人には、やはりのぞみが圧倒的に便利です。
どちらに乗るべき?利用シーン別おすすめの選び方
出張・ビジネスで時間優先なら?
出張やビジネスの移動では、1分1秒でも無駄にしたくない場面が多いですよね。
そんな時におすすめなのは、やはり「のぞみ」です。
理由はシンプルで、最も速く目的地に到着できるからです。
たとえば東京〜名古屋間は「のぞみ」で約1時間35分、「ひかり」だと約1時間50分程度。
これだけの差があると、午前中の会議に間に合うかどうかが左右されるケースも出てきます。
また、のぞみは1時間に最大10本程度の本数が運行されているため、選択肢も多く柔軟にスケジュールを組みやすいのもメリット。
さらに、のぞみの指定席車両はビジネス利用者向けにWi-Fiや電源なども整備されており、移動中に仕事を進めることも可能。
加えて、グリーン車を使えばさらに静かな環境で集中できます。
時間効率を最重視するビジネスパーソンにとって、「のぞみ」は間違いない選択肢と言えるでしょう。
観光やのんびり旅に向いているのは?
観光旅行やのんびりとした移動を楽しみたい人には、「ひかり」がぴったりです。
その理由は、のぞみよりも停車駅が多く、各地の観光地へのアクセスがしやすいからです。
たとえば、「ひかり」は静岡や浜松、岐阜羽島など、のぞみが通過してしまう駅にも停まります。
これらのエリアには温泉地や名所が多く、観光ルートとしても人気です。
さらに、空いていることが多いため、荷物が多い旅行者や子ども連れにもおすすめです。
また、のぞみよりも落ち着いた雰囲気があり、車窓からの景色をゆっくり楽しみたい人にも向いています。
混雑しにくいため、写真を撮ったり、駅弁を食べたりする時間もリラックスして過ごせますよ。
ちょっとした寄り道や、ローカルな観光地に立ち寄りたいという人には、ひかりが旅の満足度を高めてくれることでしょう。
学割・早割などお得なチケット事情
新幹線の運賃は決して安くはありませんが、実はお得な乗り方もあります。
特に、学割や早割をうまく使えば、のぞみでもひかりでも料金をグッと抑えることができます。
たとえば、学生なら「学割証」を使って、運賃部分が2割引になります。
これはのぞみにもひかりにも適用可能です。
また、JR東海の「EX早特」などのネット予約サービスを利用すると、のぞみの指定席でも数千円安くなることがあります。
さらに、ひかりやこだまに限ってさらに割引が効くチケットも存在します。
たとえば、「ぷらっとこだま」などは格安ですが、時間がかかるため、ひかりが中間的でバランスが良い選択になることも。
以下にチケット割引の一例をまとめました。
「早めに予定が決まっている」「学生で学割が使える」などの条件がある方は、賢くチケットを選んで、お得に移動を楽しんでくださいね。
乗り換えや連絡の便利さで選ぶなら?
新幹線に乗るだけでなく、その前後の乗り換えや目的地へのアクセスも重要なポイントですよね。
その点で見ると、「のぞみ」はやや優位です。
なぜなら、主要都市のターミナル駅に確実に停車するからです。
たとえば、東京・名古屋・新大阪・博多といった大都市の駅には全てののぞみが停車します。
これらの駅からは地下鉄や在来線のアクセスも良く、スムーズに移動を続けることができます。
一方、ひかりは停車駅が多いため、「目的地の近くに停まってくれる」というケースもあります。
たとえば、静岡や豊橋などはのぞみが通過するため、ひかりの方が便利です。
つまり、目的地が大都市なら「のぞみ」、地方都市や観光地なら「ひかり」を選ぶと、移動時間や手間が少なくて済むということになります。
総合的に見たコスパの違い
最後に「コスパ(費用対効果)」という視点で比較してみましょう。
もちろん、所要時間だけを見ればのぞみが勝ちです。でも、少しでも安く、かつ快適に移動したいという人にとっては、ひかりが実はお得な選択肢になることもあります。
以下に、のぞみとひかりの総合比較をまとめました。
このように、急いでいるなら「のぞみ」、ゆとりがあるなら「ひかり」というのが、総合的な結論です。
移動の目的や時間、予算に合わせて、最適な列車を選びましょう。
のぞみとひかり、未来の速さはどう進化する?
リニア新幹線と今後のスピード競争
日本の鉄道が次に目指す「速さ」の象徴といえば、やはりリニア中央新幹線です。
この新型鉄道は、磁気浮上式(リニアモーターカー)を採用しており、なんと時速500kmでの運行を予定しています。
リニアが開業すれば、東京〜名古屋間はわずか40分程度で移動できるようになる見込みです。
現在ののぞみでは約1時間35分かかる区間なので、時間は半分以下に短縮されます。
まさに次世代の「超高速鉄道」と言える存在です。
とはいえ、リニアは2027年の開業を目指していましたが、静岡県内の工事問題などで開業時期は未定となっています。
その間も、在来の新幹線(のぞみ・ひかり)の利便性は重要であり続けるでしょう。
リニアが普及した後も、のぞみやひかりは「コストを抑えた移動」や「地方都市へのアクセス」の手段として、今後も進化を続けていくことになります。
新型車両「N700S」の進化ポイント
2020年から導入された新型車両「N700S」は、のぞみ・ひかりの未来を担う存在です。
この「S」は「Supreme(最高の)」の意味を持ち、従来のN700系を超える高性能を誇ります。
主な進化ポイントは以下の通りです:
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軽量化と省エネ化:モーターやバッテリーシステムの改良で、エネルギー消費を削減。
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全席電源コンセント完備:普通車でも、すべての座席に電源が設置されています。
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非常時自走バッテリー搭載:災害などで停電しても、自走で安全な場所へ移動可能。
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揺れの軽減:新しい制御技術により、カーブや高速時の揺れがさらに抑えられました。
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静音性の向上:車体構造の見直しで、トンネル突入時の「バン!」という音も軽減。
このように、「ただ速いだけ」でなく、「快適・安全・エコ」な方向へ進化しているのが、新幹線の特徴でもあります。
N700Sは今後、ひかりやこだまにも導入される予定で、より多くの乗客がその快適さを体験できるようになります。
環境性能と速さの両立は可能か?
新幹線はもともとCO2排出量が少なく、環境に優しい交通手段として評価されています。
実際、東京〜大阪間を移動する際のCO2排出量は航空機の約1/8とも言われています。
今後の新幹線では、速さを保ちつつ、さらに環境性能を高める取り組みが進められています。
たとえば、N700Sでは回生ブレーキの効率を上げることで、エネルギーの再利用が進んでいます。
また、車体をアルミ合金に変更し、軽量化による消費電力の削減も図られています。
さらに、太陽光発電や蓄電池の導入によって、停電時のバックアップ走行や一部設備の電力自給も可能に。
将来的には、より再生可能エネルギーを活用した新幹線が登場する可能性もあるでしょう。
こうした取り組みのおかげで、新幹線は「速さと環境保護の両立」に成功しており、世界中から注目されているのです。
海外展開で注目される日本の高速鉄道技術
日本の新幹線技術は国内だけでなく、海外輸出でも注目を集めています。
すでに台湾では「台湾新幹線」として、N700系をベースにした車両が運行されており、現地でも高い評価を受けています。
また、アメリカ・テキサス州でも、日本のN700系を使用した高速鉄道プロジェクトが進行中です。
テキサス中央鉄道(Texas Central Railway)では、ダラス〜ヒューストン間を約90分で結ぶ計画があり、成功すればアメリカ初の本格的な高速鉄道となります。
このように、日本の「速くて安全、しかも環境にやさしい」鉄道技術は、世界のインフラ発展にも貢献しつつあります。
のぞみやひかりといったブランド名も、将来的には世界の都市で耳にする日が来るかもしれません。
2050年の「のぞみ」はどれだけ速くなる?
もし2050年、今から25年後の「のぞみ」が存在しているとしたら…どれだけ進化しているのでしょうか?
未来ののぞみでは、以下のような進化が予想されます:
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時速300km超の安定運行:N700Sの改良型や新型車両で、さらに高速化。
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全自動運転の実現:AIによる走行制御で、より正確・安全なダイヤ運行。
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スマート座席:座るだけで目的地設定、翻訳機能やARナビ付きのスマートシート。
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脱炭素車両:完全電力自給や水素エネルギー活用など、ゼロエミッション化。
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騒音ゼロ設計:都市部でも全く音が気にならないレベルの超静音化。
もちろん、これらはあくまで予想ですが、日本の技術力と社会的ニーズを考えれば、決して夢物語ではありません。
むしろ、のぞみやひかりはこれからも進化を続け、私たちの「速くて快適な未来の移動」をリードしてくれる存在になっていくでしょう。
まとめ:のぞみとひかり、速さと快適性で選ぶ新幹線の最適解
「のぞみ」と「ひかり」は、どちらも東海道新幹線を代表する列車ですが、目的や使い方によってその魅力は大きく変わってきます。
速さを重視するなら、やはりのぞみ。
主要駅のみ停車し、東京〜新大阪を最短2時間21分で駆け抜けるそのスピードは、ビジネスパーソンの強い味方です。
頻発する運行本数や最先端の設備も、忙しい現代人にとって大きな利点です。
一方、ひかりは速さでは少し劣るものの、停車駅が多く、混雑も少なめ。観光や家族旅行など、時間にゆとりのある移動にはぴったりです。
また、停車駅の多さは地方都市へのアクセスの良さにもつながり、「地元にやさしい新幹線」とも言えるでしょう。
さらに、今後ののぞみ・ひかりは、N700Sや将来的な技術進化によって、環境にもやさしく、もっと快適な移動手段へと進化していきます。
そしてリニア中央新幹線の登場により、新幹線の役割もまた広がっていくでしょう。
つまり、のぞみとひかり、どちらが「良い」というよりは、「あなたの使い方に合った方を選ぶこと」が最適解。
この記事が、その選び方のヒントになれば嬉しいです。