「雷が車に落ちることって、あるのかな…?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?実は、車は雷から私たちを守ってくれる“安全な空間”でありながらも、条件次第では被害を受けることもあるんです。
本記事では、車に雷が落ちる仕組みやその影響、車内の安全性から都市伝説の真偽まで、わかりやすく解説します。もしもの時に慌てないためにも、ぜひ最後まで読んで、正しい知識を身につけましょう!
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車に雷は本当に落ちるのか?その確率と仕組み
落雷のメカニズムをわかりやすく解説
雷が発生するのは、雲の中で氷の粒がこすれ合い、電気がたまることで起こります。この電気のたまり具合が限界を超えると、空気の中を電気が一気に流れ、「バリバリッ」と音と光を伴って雷になります。これが落雷です。
空気はもともと電気を通しにくい性質を持っていますが、雷は非常に強い電気エネルギーを持っているため、その空気の壁を突き破って一気に地面へ流れ落ちます。雷は「高いもの」や「導電性の高いもの(電気を通しやすいもの)」に落ちやすいため、電柱、木、建物などがよく狙われます。
では、車はどうでしょうか?実は車も雷が落ちる対象になることがあります。特に広い駐車場や郊外など、周囲に高いものがない場所では、車が「一番高くて電気を通しやすい物体」になるため、落雷の可能性が高くなるのです。
つまり、雷は「必ず木や電柱に落ちる」と思いがちですが、環境によっては車にも落ちる可能性があるということを理解しておきましょう。
車が雷を引き寄せることはある?
雷は特定のものを「引き寄せる」わけではありませんが、「落ちやすい条件」を持っている物体を狙います。車は金属でできており電気を通しやすいため、条件次第では雷を引き込んでしまう可能性があります。
また、エンジンがかかっているかどうか、アンテナが立っているか、周囲に何があるかといった要素も関係してきます。特に郊外の広い道路や駐車場、田んぼの真ん中など、何もない場所では車が「雷のターゲット」になってしまうことがあるのです。
とはいえ、日常的に車に雷がバンバン落ちているわけではありません。気象庁のデータによれば、日本国内で年間に落雷による車の被害が報告される件数はそこまで多くありません。ただし、「ゼロではない」ため、雷が近づいてきたら注意は必要です。
都市部と郊外で落雷のリスクは違う?
はい、大きく違います。都市部では建物や電柱など高い構造物がたくさんあるため、雷はそれらに優先的に落ちる傾向があります。一方で、郊外や農地、山道などでは車自体が一番高い存在になるケースが多いため、雷が落ちるリスクは高まります。
たとえば、田舎道を走っていて急に雷雨になったとします。周囲には木も建物もなく、自分の車だけがぽつんと道路上にある状態。そんなときは、車に雷が落ちる可能性が都市部より高くなるということです。
そのため、「都会だから安全」「田舎だから危ない」と一概には言えませんが、環境によってリスクが大きく変わることを覚えておきましょう。特に自然の多い場所では、天気が怪しくなった時点で早めに安全な場所に移動する判断が大切です。
実際に車に雷が落ちた事例紹介
実際に車に雷が落ちたケースはいくつも報告されています。例えば、2020年に北海道で高速道路を走行中の車に雷が直撃し、車の電子機器がショートしたというニュースがありました。また、エンジンが止まり、メーター類がすべてブラックアウトする事例もあります。
あるケースでは、駐車場に止めていた車に雷が落ち、ボンネットに焦げ跡が残り、ナビやオーディオが壊れたという報告もありました。中には、車内にいた人が「バチッ!」という音とともに強い振動を感じたという証言もありますが、ケガはありませんでした。
このように、雷は確かに車にも落ちることがあり、実際に被害が発生するケースも少なくありません。ただし、命に関わるような事故は稀で、多くの場合は車の機械部分に被害が出る程度です。
車種によって落雷リスクは変わる?
車種によって雷が落ちる「確率」自体が大きく変わるわけではありませんが、構造や高さ、使用している電子機器の量によって影響の出方が変わることはあります。たとえば、SUVのように車高が高い車やアンテナが高く設置されている車は、平地では雷のターゲットになりやすくなります。
また、最新の車は電子制御が多く、落雷による電気的ダメージを受けやすい傾向にあります。逆に、昔のアナログ的な構造の車は、落雷の影響をあまり受けにくいという報告もあります。
つまり、見た目の違い以上に「内部構造の違い」が落雷の被害に影響を及ぼすということです。電気に依存する部分が多い車ほど、雷による被害リスクが高まるという点は頭に入れておきましょう。
落雷が車に与える影響とは?壊れる部品やシステム
電子制御システムはどうなる?
現代の車には、数多くの電子制御システムが搭載されています。エンジン、ブレーキ、ステアリング、さらにはカーナビやパワーウィンドウまで、すべてコンピューターによって制御されています。このようなシステムは非常に精密で、高電圧に弱いという特性を持っています。
もし車に雷が落ちた場合、最初に影響を受けやすいのがこの電子制御系統です。雷の電気エネルギーは一瞬で何百万ボルトにも達することがあり、配線を通じて車内の電子機器に流れ込む可能性があります。その結果、ECU(エンジンコントロールユニット)やABS(アンチロックブレーキシステム)、エアバッグシステムなどが故障する恐れがあります。
故障の内容としては、「完全に動かなくなる」「誤作動を起こす」「チェックランプが点灯する」といったものがあり、どれも車の運転に支障をきたします。特にエンジン制御がやられてしまうと、車がまったく動かなくなることもあります。
また、雷が直接車に落ちなくても、近くに落ちた際の誘導雷(近くに落ちた雷が電線などを通じて入り込む現象)によって同様の被害が発生するケースもあります。そのため、雷が鳴り出したら不要な電子機器はオフにしておく、停車してエンジンを切るなどの対策が重要になります。
タイヤは溶ける?燃える?
「雷が落ちるとタイヤが溶ける」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは完全にウソではありませんが、ちょっと誤解も含まれています。実際には「タイヤが完全に燃える」ようなことはほとんどありません。
雷は非常に高い電圧を持っていますが、落ちた電気は車の金属ボディを通って地面へと流れます。このとき、地面に接しているタイヤの周辺から放電する形になります。タイヤはゴム製で電気を通しにくいですが、高電圧の前では一時的に電気が流れる経路になります。
その結果、タイヤの一部が「焦げる」「ひび割れる」「溶ける」ことはあります。特に放電の出口となった部分には焼け跡がついたり、タイヤのビード(ホイールと接触する部分)が変形したりすることもあります。
ですが、燃え上がるほどの火災になることはまれで、もしもタイヤが発火するような場合は、雷以外にガソリンや可燃物が関係している可能性が高いです。雷の被害としては「タイヤが焦げた程度」で済むことが多いですが、それでもそのまま走行するのは危険なので、タイヤに異常が見られたらすぐに交換が必要です。
ボディへの損傷とその痕跡
雷が車に直撃した場合、その跡は車のボディにしっかりと残ることがあります。特に雷が最初に触れた部分、例えばルーフやアンテナ、ボンネットなどには「焼け焦げた跡」や「小さな穴」ができることがあります。
これらの痕跡は「溶接の焼け跡」のような見た目で、塗装が剥がれたり、焦げたような黒い筋が入ったりします。また、電気が流れた経路に沿って金属が変形したり、表面がザラついたようになることもあります。
さらに車内にも被害が及ぶことがあり、金属部分のシートベルトバックルやドアノブ、スイッチ類などに焦げ跡が残る場合もあります。金属を伝った電流が一時的に高温になるため、このような痕跡ができるのです。
しかし、ボディ全体が真っ黒に焦げるようなことはなく、外見上は少しの焼け跡しか残らないこともあります。そのため、雷被害を受けたかどうかは、見た目だけでは判断が難しい場合もあり、きちんと整備士にチェックしてもらうことが重要です。
ガソリンに引火する可能性は?
雷とガソリンの組み合わせは非常に危険に感じられるかもしれません。しかし、実際には車に雷が落ちたことによって「ガソリンに引火して爆発する」ようなケースはほとんどありません。これは車の構造がうまく設計されているからです。
まず、車の燃料タンクは金属または強化プラスチックでできており、しっかりと保護されています。また、ガソリンは「気化して空気と混ざったとき」に初めて引火性を持つため、密閉されたタンク内の液体ガソリンが直接雷で爆発することはありません。
さらに、雷の電流は車体の外側を流れて地面へ逃げるため、車内にまで深く入り込むことはほとんどなく、燃料系統にまで到達する可能性は極めて低いです。
とはいえ、ガソリンスタンドなどで給油中に雷が近づいてきた場合は別です。静電気や火花が発生する可能性があるため、給油はすぐに中止し、安全な場所に退避することが大切です。屋根のある施設に避難するのが最も安全です。
落雷による車の修理費はいくら?
雷による被害を受けた車の修理費は、被害の程度や車種によって大きく異なります。たとえば、電子機器の一部がショートした程度であれば数万円で済むこともありますが、ECUや複数のコンピューター系統に損傷がある場合、数十万円にのぼることもあります。
ボディの焦げ跡の修理や塗装修正も含めると、30万~50万円以上になることも珍しくありません。また、タイヤ交換や配線の総点検なども必要となると、被害はさらに拡大します。
このような高額な修理費を避けるためには、車両保険への加入が重要です。特に「車両保険(一般型)」や「自然災害特約」が付いている保険であれば、雷による損傷もカバーされるケースが多くあります。
保険会社によっては「落雷証明書」の提出が求められることもあるため、被害にあった際には気象情報を記録しておく、サービスセンターにすぐ連絡するなどの対応も必要です。
車の中は本当に安全?ファラデーケージの仕組み
金属ボディが守ってくれる理由
車の中が雷から安全だと言われる理由は、「ファラデーケージ」という原理にあります。これは、金属で囲まれた空間の内部には電気が届かないという仕組みです。車のボディは基本的に金属でできているため、雷が落ちてもその電気はボディの外側を通って地面へ流れ、車内にはほとんど影響を及ぼしません。
具体的にいうと、雷が車の屋根やボンネットに落ちた場合、電流は車体の表面を通ってタイヤを経由して地面へと抜けます。このとき、車内にいる人は金属部分に触れていなければ、電気の流れに巻き込まれることはありません。
この仕組みは科学的にも実証されており、たとえば飛行機や電車などの大型金属構造物でも同じように利用されています。飛行機に雷が落ちても機内が無事なのと同じように、車も構造上、非常に高い安全性を持っているのです。
ただし注意点もあります。それは「完全に密閉されていること」が前提であるということです。車体に穴があいていたり、ドアや窓が開いていると、この仕組みはうまく機能しなくなる可能性があります。
電流はどこを通って抜けるのか?
雷が車に落ちた場合、電流は車体の外側、つまり金属のボディを通って地面へ抜けていきます。これが「ファラデーケージ効果」であり、車内の人が無事でいられる理由です。
電流は最も電気を通しやすく、かつ一番短い距離を通る性質があります。たとえば、雷が車の屋根に落ちたとしたら、そこからAピラー(フロントガラスの横の柱)やドアのフレームを伝い、車の底へと流れていきます。そして最終的に、車の下にあるタイヤやホイールからアスファルトへと電気が抜けていきます。
このとき、注意すべきなのは、タイヤがゴム製で電気を通しにくいにも関わらず、電圧が非常に高いために雷はその絶縁性を突破してでも地面へ流れるということです。結果として、タイヤの接地部分に焦げ跡が残ることがあります。
一方で、車内にはプラスチックや布など電気を通さない素材が多いため、直接車内に電気が流れ込むことは稀です。しかし、万が一にも金属部分に触れていると、そこを経由して感電する可能性がゼロではありません。そのため、落雷の可能性があるときには、体をなるべく金属部分から離しておくのが安全です。
窓を開けていたら危険?
はい、窓を開けているとファラデーケージの効果が弱まる可能性があります。ファラデーケージは「金属の箱のような構造」によって内部を電気から守る仕組みなので、開口部があるとその機能が完全ではなくなります。
雷の電気は空気中を通ることができますが、窓が閉まっていれば基本的には車内には侵入しません。しかし、窓が開いていれば、金属部分と人の体との間に雷の電気が通る「すき間」ができてしまうため、そこに電流が走る可能性が出てくるのです。
特に窓枠に肘をかけていたり、ドアノブを握っていたりすると、雷がボディを流れるときに感電するリスクが高まります。また、窓の開口部から雨が吹き込んで車内が濡れていると、さらに電気が通りやすくなります。
雷が鳴り出したら、必ず窓はすべて閉め、エアコンやファンを使用して車内の換気を保つようにしましょう。そして、手や足が金属部分に触れていないよう注意しながら、安全な姿勢で車内にとどまることが大切です。
落雷時に取るべき正しい行動
雷が鳴っていて、自分が車の中にいる場合、正しい行動を取ればとても安全です。まず、落雷の危険が高まってきたら、慌てて車の外に出ようとしないこと。車外に出てしまうと、雷に直接打たれるリスクが一気に高まります。
次に、車をできるだけ安全な場所に停めましょう。理想は屋根のあるガレージや立体駐車場ですが、ない場合はできるだけ高い木や電柱の近くを避けた場所を選びます。そして、エンジンは止めて、電装系もすべてオフにしておきます。
車内では以下のことを意識してください:
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金属部分に触れない
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携帯電話やナビの使用を控える
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シートにしっかり座って姿勢を低く保つ
-
窓やドアをしっかり閉める
これだけで、車内の安全性は格段に高まります。雷が過ぎ去るまでは車内でじっと待機し、晴れてから移動を再開しましょう。焦らず、冷静な判断が命を守ります。
過去に車内で感電したケースはある?
車に雷が落ちた際に、車内で感電してしまったという報告はごくわずかですが、ゼロではありません。主にその原因は「金属部分に触れていた」「窓が開いていた」「車内が濡れていた」など、ファラデーケージがうまく機能しなかったケースです。
たとえば、過去に海外で報告されたケースでは、落雷の瞬間に金属製のスマートフォンを充電していた乗員が軽度の感電症状を起こしたという事例があります。また、ハンドルを強く握っていたことで、腕に軽いしびれを感じたというケースもありました。
とはいえ、これらの事例はいずれも「軽傷」で済んでおり、致命的な事故になったという報告は非常に稀です。正しい知識と対策を取っていれば、車内での落雷被害は最小限に抑えることができます。
雷は自然の驚異ではありますが、正しく向き合えば恐れる必要はありません。安全な車内での過ごし方を知っておくことで、安心してドライブを続けることができるのです。
雷から車を守るための知識と対策
雷注意報が出たときの運転のポイント
雷注意報が発表されているとき、特に車を運転している場合は慎重な行動が求められます。まず最も大切なのは、「無理に運転を続けないこと」です。雷が近づいているときに屋外を移動すること自体が危険ですが、車であっても例外ではありません。
もし落雷の音が頻繁に聞こえるようになったら、まずはスピードを落とし、安全に停車できる場所を探しましょう。可能であれば、屋根付きの駐車場や高速道路のサービスエリア、コンビニの駐車場などに避難するのが理想です。
停車したら、エンジンはできれば切り、電子機器(ナビやエアコンなど)もオフにしましょう。特にスマートフォンの充電やUSB接続中の機器は取り外しておくと安全です。また、ラジオで最新の気象情報を確認して、危険な状況が続いていないかチェックすることも忘れずに。
さらに、運転中に高架橋やトンネルが近くにある場合は、そこを一時的な避難場所として利用するのも有効です。自然の遮蔽物を活用しつつ、安全を最優先に行動しましょう。
車を止めるべき場所と避けるべき場所
雷から車を守るには、どこに車を停めるかが非常に重要です。安全な場所を選ぶことで、雷の直撃を避けられる確率が大きく変わります。
停めて良い場所:
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屋根付きの駐車場(ガレージや立体駐車場)
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コンクリート建造物の近く(ただし金属フェンスは避ける)
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地形的に低い場所(ただし洪水の恐れがない範囲)
避けるべき場所:
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高い木の下(雷は木を伝って車に落ちることがある)
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電柱の近く(放電時に火花や電線の落下の危険)
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広い平地のど真ん中(雷が車を狙う可能性が高い)
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山道や高台(雷の落下リスクが増す)
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橋の上(落雷に加えて強風や視界不良も発生しやすい)
特に、雷の音が10秒以内に聞こえるようになったら、かなり近くまで雷雲が来ている証拠です。その段階で広い駐車場に車が一台だけあると、雷はその車を狙って落ちる確率が高くなります。
できるだけ周囲に高い建物や構造物がある場所で停車し、安全が確保されるまで車内で待機しましょう。
アース対策は有効?
アース(接地)対策というと、パソコンや家電などでよく見かける「電気を地面に逃がす方法」ですが、実は車にも一部関係があります。特に、カーオーディオや電子機器の安定動作のためにアースケーブルを取り付けている人もいます。
しかし、落雷のような高電圧には、一般的なアース対策はあまり効果がありません。なぜなら、雷の電圧は数百万ボルトにも達するため、簡易的なアースでは到底受け止めきれないからです。
一部のトラックや特殊車両では、静電気を逃がす目的で「アースチェーン」や「ゴムストラップ」が装着されていますが、これもあくまで静電気対策。雷レベルの電気エネルギーに対しては、根本的な保護にはなりません。
とはいえ、アース対策が無意味というわけではなく、電子機器のノイズを減らしたり、バッテリーの安定性を高めたりと、日常の安全性や快適性には役立ちます。ただし、雷対策として考えるなら、まずは「車の位置」「金属部分に触れない」などの基本的な行動が最も効果的です。
カーナビや電子機器の保護方法
現代の車は、カーナビ、ドライブレコーダー、スマートフォン充電器など、多くの電子機器を使っています。これらは雷の影響を受けやすい部分でもあり、万が一、雷による電気が車内に侵入すると、故障するリスクが高まります。
特に気をつけたいのは、車の電源(シガーソケットやUSBポート)に常時接続している機器。雷による電圧変動がバッテリーや配線を通じて伝わることで、内部回路が焼き切れたり、電源が入らなくなったりすることがあります。
そのため、雷が近づいてきたら以下のような対策を取りましょう:
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使用していない機器の電源は切る
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USBやシガーソケットは抜いておく
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スマートフォンの充電は中断する
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ドラレコなど常時電源機器は、可能であれば手動でオフ
また、車のヒューズボックスに「サージプロテクター(雷サージ保護機器)」を取り付けることで、落雷による過電流をある程度カットできる場合もあります。電装系のカスタムをしている人にはおすすめの対策です。
万が一の保険対応について
万が一、雷によって車が損傷を受けた場合、修理費は高額になることが多いため、保険のカバーがとても重要になります。ポイントは「車両保険に入っているかどうか」です。
自賠責保険では雷による自然災害の損害はカバーされません。任意保険の中でも「車両保険(一般型)」に加入していれば、雷や台風などの自然災害による損害も対象になることが多いです。また、最近では「自然災害特約」や「天災補償」が付いているプランもありますので、保険内容をしっかり確認しましょう。
保険請求の際には、次のような準備が必要になります:
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雷被害を受けた日付と時間の記録
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気象庁の落雷情報やニュース記事
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車の損傷箇所の写真
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修理見積もり書の提出
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落雷証明書(必要に応じて)
保険会社によっては、こうした情報の提供が迅速な対応につながります。事前に自分の保険がどこまでカバーしているか確認しておくと安心ですね。
知っておきたい!落雷と車にまつわる都市伝説
雷は赤い車に落ちやすい?
「赤い車は目立つから雷が落ちやすい」という話を聞いたことがある人も多いかもしれません。しかしこれは、科学的に根拠のない都市伝説です。雷がどこに落ちるかは、「色」ではなく「高さ」「形状」「導電性(電気の通しやすさ)」によって決まります。
実際に、車のボディカラーが雷の落下地点を左右するという研究やデータは存在しません。赤い車であろうと、白や黒の車であろうと、落雷の確率に違いはないのです。ただ、赤い色は心理的に「目立つ」「強そう」という印象があり、それが「狙われやすそう」という誤解につながっている可能性があります。
もし雷に対して万全な備えをしたいなら、ボディの色を変えるよりも、駐車場所の選び方や雷雲が近づいたときの行動を見直す方が何倍も効果的です。
また、ボディカラーによって車の温度や視認性は変わることがありますが、雷の電気エネルギーには影響しませんので、安心してください。
落雷でエンジンが逆回転する?
「雷が落ちるとエンジンが逆回転する」という説も、昔から一部でささやかれている都市伝説ですが、これもまったくの誤解です。現代の自動車のエンジンは、内部のクランクシャフトやピストンが非常に精密な動きで制御されており、外部からの電気で逆回転を起こすような構造にはなっていません。
また、雷が落ちたときにエンジンがかかっていれば、電子制御ユニットがショートしてエンジンが停止することはありえますが、逆に動き出すというのは物理的に非常に困難です。そもそも、エンジンを逆回転させるためには点火タイミングや燃料噴射の制御をすべて逆方向に変える必要があり、雷の一瞬の電流でそんなことが起こるとは考えられません。
この噂の元は、昔の古い車や機械において、電気的トラブルでモーターが逆回転したというような現象が誤って伝わった可能性があります。現代の車ではそのような現象は起こらないので、安心して運転を続けましょう。
映画のように感電死する可能性は?
映画やドラマでは、車に雷が落ちて中の人が感電してしまうシーンがよくあります。そのせいで、「車内でも感電死するのでは?」と心配する人もいるかもしれません。しかし、現実的にはその可能性は極めて低いです。
先ほども紹介した通り、車は金属のボディでできているため、ファラデーケージの原理により車内は安全に保たれます。雷の電流は車体の外側を通って地面に抜けていくため、車内には基本的に流れ込みません。
ただし、車内で感電するリスクがゼロというわけではありません。雷の瞬間に金属部分に触れていたり、スマートフォンの充電ケーブルを握っていたりすると、稀に電気が体内に流れて軽度の感電を起こす可能性があります。それでも、それで命を落とすような事故の報告は非常に少なく、現実のリスクはかなり低いと言えます。
要するに、映画のような「爆発」「感電死」「車が吹き飛ぶ」といった演出は、あくまでフィクション。現実にはそこまで大きな事故にはならず、冷静に対応すれば問題ありません。
雨の日に音楽を聞くと危険?
「雨の日に車の中で音楽を聞くと、雷が落ちて感電する」という話も、まことしやかに語られる都市伝説のひとつです。ですが、こちらも科学的根拠はありません。
音楽を聞いている=スピーカーが稼働している状態であっても、スピーカーは車内の電源システムにつながっているだけで、外部からの雷を引き込む原因にはなりません。たとえ雷が車に落ちても、電気はスピーカーを通って車内に流れ込むことはないのです。
ただし、音楽プレーヤーをシガーソケットやUSBで充電しながら使用していた場合、落雷による電流がその配線を通ってプレーヤーに影響を与えることは考えられます。その結果、機器が壊れる可能性はありますが、感電するほどの電流が人の体に流れることはほとんどありません。
したがって、雷雨の際は過度に心配する必要はありませんが、できれば機器の使用は控えて、車内では静かに待機するのが安全策です。
「雷が鳴ったらエンジンを切れ」は本当?
このアドバイスには、ある程度の真実が含まれています。車に雷が落ちた際、エンジンがかかっていると、車内の電子制御システムを通じて被害が拡大する可能性があります。つまり、ECUやオルタネーターなどの精密な機器が稼働している状態で雷を受けると、故障リスクが高くなるのです。
そのため、「安全な場所に停車したら、エンジンを切る」という判断は正しいです。ただし、運転中に雷が鳴り始めたからといって、慌てて路肩で急停止しエンジンを切るのは危険です。後続車との事故のリスクもありますので、まずは安全に停車できる場所を確保してからエンジンを切りましょう。
また、落雷によって車が一時的にショートしても、エンジンを切っておけば被害は最小限に抑えられるという事例もあります。状況をよく見極めながら、冷静に対応することが大切です。
まとめ
雷と車の関係については、多くの人が「なんとなく怖い」と思っていながら、詳しく知る機会が少ないテーマです。しかし今回の記事を通じて、車は金属のボディ構造によって雷から私たちを守ってくれる「ファラデーケージ」として機能していることがわかりました。
とはいえ、完全に無敵というわけではありません。電子制御システムやタイヤ、ボディなどは雷の影響を受ける可能性があり、被害の程度によっては修理費用も高額になるケースもあります。特に落雷が多い地域や郊外では、停車場所や雷の接近時の行動に十分な注意が必要です。
また、「赤い車が狙われやすい」や「音楽を聞いていると感電する」といった都市伝説も多く存在しますが、科学的な根拠に乏しく、正しい知識を持っていれば必要以上に怖がる必要はありません。
重要なのは、雷に遭遇したときに冷静に対処すること。安全な場所で停車し、エンジンを切り、金属部分から体を離してじっと待つだけで、リスクを大幅に下げることができます。もしもの時に備えて車両保険の見直しや、車の電装品への意識も高めておくとさらに安心です。
雷の季節も、安心してドライブを楽しむために、ぜひ今回の知識を活かしてくださいね。